ARCHITECTUREMOVIE PROJECT
WATCHING ? by Riku Nakagawa
WATCHING ? by Riku Nakagawa
What is Watching?
現代はバイブスに満ち溢れている。
政治、カルチャー、そして空間においても、すべてにおいて。しかし言葉や思想より先に、それらは消費されていく。美しさや価値観さえも、ディスプレイの表面を空気感やテクスチャとして高速に流れ落ち、ミームとなり、いまという瞬間のそれっぽさへと収斂され、本当に自分の眼で世界を観ているのか不安になる。
美しいと感じる根拠、心地よいと感じる距離、歩みを止める景色、肌が反応する空気。本来それらはもっと個人的で、身体的な感覚だったはずだ。その知覚を極端な精度で扱う存在が、建築家なんだろうと思う。彼らと世界との「距離」を見ており、その知覚の「幅」として建築が立ち現れるものなのかもしれない。
私は建築文化から半歩外側にある、経済や市場を扱う者として建築家と並走してきた。
土地、法規、金融、事業性。建築が成立するための諸条件に触れながら、創造性と社会のあいだを翻訳する仕事を続けている。
不動産や都市開発の世界は、空間を均質化する。収益性、再現性、回転率、成長性。空間は常に、数値へと変換され、最適化される。しかし私はそのジレンマに身を置きながら、ずっと別のものに触れてきた。
建築には、収支計画やマーケティングでは捉えきれない、個人的な感覚や身体性、原風景のようなものがあるということ。
漂うバイブスへ自分を合わせ続ける時代の中で、建築家の視覚を通して、もう一度自分自身の知覚で世界を測る。ここは、そのための実践なのかもしれない。